数学ソフトウェアとフリードキュメント XXII
- 2016年3月15日(火) 13:00–18:00
- 筑波大学 1C棟 4階 1C406教室
- 茨城県つくば市天王台1-1-1
- つくばエクスプレス(TX)つくば駅下車 つくばセンターからバス.
- 入場無料
- ポスターを作成致しました.皆様,どうぞ,よろしくお願いいたします.
組織委員会
- 野呂正行 (立教大学)
- 高山信毅 (神戸大学)
- 濱田龍義 (福岡大学/OCAMI)
- 横山俊一 (九州大学/JST CREST)
後援
講演者 (あいうえお順)
- 穴井 宏和(富士通研究所 / 九州大学 / 国立情報学研究所)
- 大山口 菜都美(秀明大学)
- 工藤 桃成(九州大学)
- 友枝 明保(武蔵野大学 / JST CREST)
- 濱田龍義(福岡大学 / OCAMI)
プログラム
- 13:00-13:40 “Math Soft: Days of Future Past”, 濱田龍義(福岡大学 / OCAMI)
- 13:50-14:30 “Magma における実装の観点からみた有理式の解釈”, 工藤 桃成(九州大学)
- 14:40-15:20 “結び目・空間グラフの不変量とKNOTプログラム”, 大山口 菜都美(秀明大学)
- 15:40-16:20 “渋滞とセルオートマトンとMathematica”, 友枝 明保(武蔵野大学 / JST CREST)
- 16:30-17:10 “東ロボくんの数学脳 ~ 数式処理と自然言語処理の接合による数学問題自動求解”, 穴井 宏和(富士通研究所 / 九州大学 / 国立情報学研究所)
概要
- 13:00-13:40 “Math Soft: Days of Future Past”, 濱田龍義(福岡大学 / OCAMI)
- 現在,日本国内でよく知られている数学ソフトウェアは Mathematica や Maple,Sage,GeoGebra など,すべて海外で開発されたものである.(Maple は2009年9月に日本の企業であるサイバネットシステムによって買収された.)一方,Risa/Asir などの専門家向け数式処理システムや,GC, Grapes などの教育用システム,TeX 以前の編集環境など,日本人数学者,数学教育者による貢献も決して無視できないものがある.本講演では,日本の数学関係者によるソフトウェア開発の取り組みについて振り返り,今後の数学ソフトウェア環境について考察を行う.
- 13:50-14:30 “Magma における実装の観点からみた有理式の解釈”, 工藤 桃成(九州大学)
- 有理式の演算をコンピュータ上で実現するための basic なアイディアの一つとして,有理単項式を tuple と解釈する手法がある.用途・目的にもよるが,有理式からなる行列演算などのケースで,さらに単項式間に同値関係が入っているような場合には,項の係数と指数部分を一組の tuple とみなして,さらにインデックスについて配列化するという工夫が考えられる.このような解釈は(計算の高速性は抜きにして,簡略化という意味で)言語や計算機環境によらない汎用的な手法になるのではないかと考えられる.
本講演では,上記のような有理単項式の解釈を紹介し,計算機ソフトウェア Magma におけるそのような手法を用いた(講演者による)実装の一つとして,代数幾何学における連接コホモロジーの計算をとりあげたい.
- 14:40-15:20 “結び目・空間グラフの不変量とKNOTプログラム”, 大山口 菜都美(秀明大学)
- 児玉宏児氏により開発されたKNOTプログラムを使うことで,結び目の不変量を簡単に計算することができる.講演者は,4価の固定頂点空間グラフの分類表を作るにあたり山田多項式の計算を行ったが,計算過程で出てくる結び目の射影図に対しKNOTプログラムを使って不変量を計算することで,その射影図が何交点のどの結び目のものであるかを容易に特定することができ,計算効率が飛躍的に上がった.本講演ではその過程を紹介する.
- 15:40-16:20 “渋滞とセルオートマトンとMathematica”, 友枝 明保(武蔵野大学 / JST CREST)
- 本講演では,ECAと呼ばれるセルオートマトンからはじまり,渋滞現象を記述するセルオートマトンモデルについて解説する.また,あわせて,Mathematicaを用いたシミュレーションについても触れる.
- 16:30-17:10 “東ロボくんの数学脳 ~ 数式処理と自然言語処理の接合による数学問題自動求解”, 穴井 宏和(富士通研究所 / 九州大学 / 国立情報学研究所)
- 2011年より国立情報学研究所を中心に推進してきた人工知能グランド・チャレンジ「ロボットは東大にはいれるか」について数学問題への挑戦を中心に紹介し,その技術的及び社会的な意義や今後の展望について述べる.