2024年9月2日(月) 15:00〜17:00(14:40より入店可能)
15:00〜15:30, “数学者のための reveal.js 入門”, 濱田龍義(日本大学/OCAMI)
多くの数学者がプレゼンテーションツールとして LaTeX のクラスファイルである Beamer を利用している.LaTeX ソースコードから PDF 化することで,数式の表示はもちろんのこと,基本的なテーマや段階的な表示にも対応している.一方で,PDFは印刷物を主体として設計されているため,動画や対話的な表現を行おうとすると若干の手間を要する.
本講演では reveal.js について提案する.reveal.js は,JavaScriptをベースとしたプレゼンテーションツールである.HTMLを記述し,Webブラウザで表示を行う.KaTeX や MathJAX を利用することで,LaTeX入力による数式の表示にも対応している.基本的なテーマや段階的な表示にも対応しているだけでなく,動画や対話的な表現との親和性も高い.GeoGebra や p5.js 等の JavaScript ライブラリを取り込むサンプルについても解説する予定である。
15:40〜16:10, “教材に 例えばこんな TeXマクロ”, 中川義行(龍谷大学)
数学に限らず,一般に自然科学系の科目でも,学生に型を習熟させるために,しばしば乱数などを用いて数値を変えた演習問題を多数用意しなければなりません。そのために以前,私は fp パッケージや ifthen パッケージ, automultiplechoice スタイルファイルなどを紹介しました。さらに,数式の簡約化のために,濱田氏が外部の数式処理システムを連携させる方法も紹介しました。
濱田氏の手法はとても秀逸でしたが,コンピュータへの負荷が大きく,多用すると動作速度の低下を招く弱点がありました。有理数の約分や,自然数の平方根の整理程度の処理であれば,マクロでできてしまいます。ですので,簡単な処理はマクロで済ませませんかというのが,今回の私の講演での提案です。併せて,解答の表示・非表示のコントロールなどの小道具的なマクロの提案も行いたいと思います。 また,今回提案するマクロは「コピーレフト」で公開しますので,使えそうなものは各自,自由に切り出し・改造してお使いください。
16:20〜16:50, “教育プラットフォームCES-Alpha:プログラミングと自動採点機能を中心に”, 田中 一成(早稲田大学 国際理工学センター / CES-Alpha)
CES-Alphaは、数理・プログラミングに特化した教育プラットフォームである。このシステムは、クラウド技術を活用しブラウザを介してプログラミング教育を行うプラットフォームを提供する他、数学演習問題の自動出題・自動採点の機能を有している。本講演では、これら従来機能の説明に加え、特に本年4月からリリースした新機能である「プログラミング課題の自動採点とAIによる学習サポート」を紹介する。なお、本講演内容は、劉 雪峰 氏(東京女子 / CES-Alpha)、齋藤 裕 氏(新潟大学 / CES-Alpha)と共同で構成したものである。