数学ソフトウェアとフリードキュメント 31

  • 2020年9月21日(月)午後15:00〜17:50
  • Zoomウェビナーを用いて開催しました.
  • 当日18:00〜20:00にZoomミーティングを用いて,講演者を交えて懇親会を開催しました.

組織委員会

  • 野呂正行 (立教大学)
  • 高山信毅 (神戸大学)
  • 濱田龍義 (日本大学/OCAMI)
  • 横山俊一 (東京都立大学)

後援

  • 日本数学会情報システム運用委員会

講演予定者(50音順)

  • 佐藤建太(理化学研究所 生命機能科学研究センター)
  • 藤本光史(福岡教育大学)
  • 吉田純(東京大学)

プログラム

  • 15:00–15:50 Khovanov ホモロジーのサイクルの計算, 吉田純(東京大学)
  • 16:00–16:50 GeoGebraでのスクリプトの使い方, 藤本光史(福岡教育大学)
  • 17:00–17:50 Juliaのコア ― 多重ディスパッチとメタプログラミングを中心に, 佐藤健太(理化学研究所 生命機能科学研究センター)

概要

  • 15:00–15:50 Khovanov ホモロジーのサイクルの計算, 吉田純(東京大学)
    • 計算機の純粋数学での活用例として、Khovanov ホモロジーの計算を紹介する。Khovanov ホモロジーは、2000 年に Khovanov により定義された結び目の不変量であり、各結び目に二重次数付きのアーベル群を対応させる。この不変量は、具体的な「数」として定義される他の不変量と異なり、結び目に対しての具体的な操作が、アーベル群の準同型として実現され得るという利点がある。特に講演者は、伊藤昇氏との共同研究において、結び目の交差交換の Khovanov ホモロジー上での実現を発見した。この講演では、この交差交換の準同型を具体的に書き下すために講演者が作成したプログラムを紹介し、それを用いていくつかの定理を例によって確認する様子を実演する。
  • 16:00–16:50 GeoGebraでのスクリプトの使い方, 藤本光史(福岡教育大学)
    • GeoGebraでは2つのスクリプト言語(GeoGebraスクリプトとJavaScript)が利用可能であり、 これらを用いることで少し凝ったアプレットを作成できる。本講演ではGeoGebra初心者が スクリプトを用いて数学教材を作成する際の手助けになるように、15パズルや一筆書きの アプレット作成を通してスクリプトの使い方を解説する。
  • 17:00–17:50 Juliaのコア ― 多重ディスパッチとメタプログラミングを中心に, 佐藤健太(理化学研究所 生命機能科学研究センター)
    • 科学技術計算分野で注目を集めるJuliaプログラミング言語は、高速な実行速度にばかり注目が集まりがちであるが、多重ディスパッチとメタプログラミング機能こそが本質的に重要な言語機能である。本講演では、これらの機能がいかにJulia本体とそのコミュニティを支える柱になっているかを応用例を交えながら解説する。