数学ソフトウェアとフリードキュメント XXIV
組織委員会
- 野呂正行 (立教大学)
- 高山信毅 (神戸大学)
- 濱田龍義 (日本大学/OCAMI)
- 横山俊一 (九州大学)
後援
講演者 (あいうえお順)
- 小野浩雅(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 ライフサイエンス
統合データベースセンター)
- 松川信彦(大阪府立長野高等学校)
- 安井雄一郎(日経BP / 九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)
- 脇克志(山形大学理学部)
プログラム
- 13:00-13:40 “Geogebraを使った和算幾何図形の作図”, 脇克志(山形大学理学部)
- 14:00-14:40 “JavaScript ライブラリとphp で構築した教育システムおよび web note の紹介”, 松川信彦(大阪府立長野高等学校)
- 15:00-15:40 “今日から使える便利な生命科学系公共データベース in DBCLS”, 小野浩雅(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 ライフサイエンス統合データベースセンター)
- 16:00-16:40 “ULIBCとNETALを用いた NUMA を考慮した効率的なグラフ中心性計算”, 安井雄一郎(日経BP / 九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)
概要
- 13:00-13:40 “Geogebraを使った和算幾何図形の作図”, 脇克志(山形大学理学部)
- 和算にはたくさんの図形問題が含まれています.これらの図形問題をGeogebra上に再現し,数学教材として再利用出来ないかと考えています.この講演では 和算に登場する図形問題をGeogebraで作図するためアポロニウスの接触円問題にも使われている作図手法を活用した作図Toolsを紹介します.
- 14:00-14:40 “JavaScript ライブラリとphp で構築した教育システムおよび web note の紹介”松川信彦(大阪府立長野高等学校)
- 高等学校での教科情報におけるタイピングシステムとホームページ作成演習に使用したPHPアプリの活用例と, 「ノート」としての web ページの活用例を紹介する.
- タイピングシステムにおいて, 日本語ワープロ検定の例題集を使用し, 正確にタイプできた文字を赤く変色させる, 制限時間を設ける, クラスにおける順位が提示画面に表示される, 結果はデータベースに保存されるなど, 生徒のモチベーション向上と業務の効率化に役立った.
- ホームページ作成システムは生徒は作品をブラウザ上で編集が可能であり, ファイルをアップ
ロードさせる形式ではなく, mysqlに保管させる.
- 生徒間での作品の閲覧・相互評価・コメントができるようにしてある.
- 家庭のPCからも編集作業は可能であるが,著作権の問題や個人情報の保護のため, IDとパスワードを設けて, 学校内のシステムとして運用している.
- web note はいつでもどこでも, ネットに繋がったPCであれば,ブラウザ上で編集・保存が可能.
- 数学のノートのみならず, JavaScript やそのライブラリを実行するコードまでも, ノートをとるように編集できる.
- 公開・非公開を選択することができる.
- ことを実装したPHPおよびjQueryで作成したシステムである. 和田秀男著「数の世界」などの一部をノートしたものを, JavaScriptコードの実装例を元に紹介したい.
- 15:00-15:40 “今日から使える便利な生命科学系公共データベース in DBCLS”, 小野浩雅(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 ライフサイエンス統合データベースセンター)
- ライフサイエンス分野では,1990年代後半から,急速に進展したゲノムプロジェクトやオミクスプロジェクトにより大量のデータが産み出されるようになり,その結果,世界中で数千をこえる多様なデータベースが研究成果として公開されています.この分野の知識全体がデータベースにかたちを変えているといっても過言ではなく,データベースをうまく使いこなすことが研究の進展に不可欠になっています.しかし,利用者からは「必要なデータベースが見つからない」「使い方がよくわからない」「データを組み合わせてより高度な解析ができない」など不便を訴える意見も多く,データベースを効率よく利用するための環境整備は充分ではありません.ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)では,データベースを日々利用する生命科学系研究者にその価値を届けるため,ウェブサービスやコンテンツの充実を図っています.本講演では,DBCLSが提供する,誰でも使える便利な生命科学系のデータベースやウェブツールを紹介します.
- 16:00-16:40 “ULIBCとNETALを用いた NUMA を考慮した効率的なグラフ中心性計算”, 安井雄一郎(日経BP / 九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)
- 本講演では NUMA アーキテクチャをベースとした一般的な計算機上で効率よく動作する,グラフの中心性指標を計算するソフトウェア NETAL と,その高速化に必要なライブラリ ULIBC についての説明を行う.近年多くの計算機は NUMA (Non-uniform memory access) アーキテクチャを採用しており,メインメモリへのアクセスコストが一定ではない.特にデータアクセスを多発する典型的なアプリケーションではその影響を受けやすく多くの場合性能低下を引き起こしてしまう.ULIBC はそういった不均一なメモリアクセスを回避するための機能を提供し,ULIBC をベースに開発した NETAL は NUMA システム上での大きなコストを伴うデータアクセスを削減している.また ULIBC を用いた効率的な幅優先探索アルゴリズムの Graph500 benchmark や Green Graph500 benchmark での結果も合わせて報告する.