数学ソフトウェアとフリードキュメント XXVIII

組織委員会

  • 野呂正行 (立教大学)
  • 高山信毅 (神戸大学)
  • 濱田龍義 (日本大学/OCAMI)
  • 横山俊一 (九州大学)
  • 酒井高司 (首都大学東京)

後援

  • 日本数学会情報システム運用委員会

講演予定者(50音順)

  • 青木良輔/村尾裕一(電気通信大学)
  • 黒木玄(東北大学)
  • 谷口哲至(広島工業大学)
  • 巴山竜来(専修大学)
  • 安野史子(国立教育政策研究所)

プログラム

  • 13:00-13:30, “3次元情景記述変換機 Sketch とその置換パズル用拡張”, 青木良輔/村尾裕一(電気通信大学情報理工学研究科)
  • 13:40-14:10, “動的数学ソフトウェアによる教材を組込んだ電子書籍の作成 ーiBooks AuthorのHTMLウィジェットの利用ー”, 安野史子(国立教育政策研究所 教育課程研究センター 基礎研究部)
  • 14:30-15:20, “Processingによる可視化と装飾的模様の生成”, 巴山竜来(専修大学)
  • 15:40-16:30, “スペクトラルグラフ理論研究における数学ソフトウェアの活用”, 谷口哲至(広島工業大学)
  • 16:50-17:40, “Julia言語とJupyterノートブックの数学における使い方”, 黒木玄(東北大学)

概要

  • 13:00-13:30, “3次元情景記述変換機 Sketch とその置換パズル用拡張”, 青木良輔/村尾裕一(電気通信大学情報理工学研究科)
    • Sketchは,Gene Resslerによって教科書の執筆のために制作されたソフトウェアで,明瞭で精密な図を描画することを目的としている.Sketchは,その独自の情景記述言語に基づく3次元のオブジェクトの記述を受け取り,PSTricksやTikZ/PGFのソースコードを生成する.本講演では,ルービックキューブなどの置換パズルのためのSkecth言語の拡張を提案し,またその実装について報告する.
  • 13:40-14:10, “動的数学ソフトウェアによる教材を組込んだ電子書籍の作成 ーiBooks AuthorのHTMLウィジェットの利用ー”, 安野史子(国立教育政策研究所 教育課程研究センター 基礎研究部)
    • 本講演では,GeoGebraやCinderellaといった動的数学ソフトウェアによる数学教材を組込んだ電子書籍の作成についての話をする.AppleのiBooks AuthorのHTMLウィジェットを活用して,動的オブジェクトを電子書籍AppleBooksに組み込むという方法で行います.ここでは,中学校・高等学校の数学教員が自ら作成し,数学の授業で活用することを想定し,その際の注意点,問題点に触れる.
  • 14:30-15:20, “Processingによる可視化と装飾的模様の生成”, 巴山竜来(専修大学)
    • Processingは視覚表現に特化した,初心者にも使いやすいプログラミング言語です.その手軽さからプログラミング導入教材としてもよく使われています.Processingを使って数学的な対象を可視化し,装飾的な模様をつくる技法について紹介します.
  • 15:40-16:30, “スペクトラルグラフ理論研究における数学ソフトウェアの活用”, 谷口哲至(広島工業大学)
    • スペクトラルグラフ理論や代数的グラフ理論ではグラフの固有値をみることでその構造を調べたり,あるいはその逆,特定の固有値を持つグラフの分類・決定・特徴付けを行う.近年,数学ソフトウェアの発展により,計算機実験や具体例の検索を行うことが容易になった. これまで,多くはmagmaを用いて研究してきた.また,表現力を上げるためMathematicaを用いてグラフを描いたり,(magmaでは充分に実装されていない)無向グラフを扱う際にはSagemathを使うなど,使い分けを行なってきた.本発表では,それぞれのソフトウェア(特にmagma, Sagemath)をどういった場面で使い分けてきたかを紹介したい.
  • 16:50-17:40, “Julia言語とJupyterノートブックの数学における使い方”, 黒木玄(東北大学)
    • Julia言語は高速でユーザーフレンドリーな新しいプログラミング言語であり, ウェブブラウザからJupyterノートブックで利用可能である. Juliaを使えばC言語とほとんど同じ速さで様々な問題を解くことができ, その直後に結果をJupyter経由でブラウザにプロットできる. さらに, JupyterがMathJax対応であることより, 整形された数式を含むコメントも挿入できる. このように, JuliaとJupyterの組み合わせは, 高速計算による試行錯誤とその結果の数学的プレゼンテーションを実現するための優れた解になっている.